
始めの頃は全部同じに聴こえます(^^;;
タンゴ・ワルツ・ミロンガのリズムの違いはなんとなくわかるようになったけど、「楽団ってなに??」な皆さまにシリーズでお届けしていこうと思います。
※かなりざっくりした説明ですみません。精通している方が読んだら怒られるかも...
タンゴの音楽はどのような楽器で演奏されているでしょうか?
主な楽器は
ピアノ
バイオリン
バンドネオン(アコーディオンに似たジャバラ楽器)
コントラバス
歌手がいる場合も。
編成は様々ですが、バイオリン4本、バンドネオン4本というような大きな編成を「Orquesta Típica」(オルケスタ・ティピカ)と呼びます。
特徴的なのは、基本的に打楽器がないことです。
タンゴが生まれた初期の頃は、ギター、フルート、バイオリンのような小編成であったようで、ときには打楽器が入ることもありました。
ドイツから、携帯用パイプオルガンであった「バンドネオン」という楽器がタンゴに組み入れられてからは、それまでよりもテンポを落とし、アレンジも複雑になりながら発展を遂げました。
Carlos Di Sarli (1903-1960)
以下に、上記楽団の簡単な特徴をまとめました。
タンゴの楽団は数多く有りますが、まずはこの4大楽団の名前を覚えましょう。
また、楽団のリーダーやメンバーが作曲した曲もありますが、別に作曲家、作詞家が大勢います。アレンジを変えながら、同じ曲を様々な楽団がいろいろな解釈をこめて演奏しているのを聴き比べてみるのも楽しみのひとつです。
CARLOS DI SARLI <カルロス・ディ・サルリ楽団>
ピアニストのカルロス・ディ・サルリが率いる楽団の音楽は、流れるような美しいメロディとスタッカートの強いインパクトのある演奏が特徴。
多くのタンゴダンサーがこの楽団の演奏でレッスンを受け、ミロンガで楽しんでいます。
代表曲【Bahia Blanca】バイア・ブランカ(白い入江)
ディ・サルリが生まれ故郷のバイヤ・ブランカ市を思い作曲した曲です。
JUAN D’ARIENZO <フアン・ダリエンソ楽団>
「リズムの王様(El Rey Del Compás)」と称されるほど、リズムの効いた演奏が特徴のダリエンソ楽団を指揮するフアン・ダリエンソはもともとはバイオリン奏者だったそうです。ダリエンソ楽団がかかると踊りたくてウズウズするダンサーが今日も世界各地に。映像で残るダリエンソの指揮する姿も強烈です。
代表曲【Paciencia】 パシエンシア
ANÍBAL TROILO <アニバル・トロイロ楽団>
偉大なバンドネオン奏者で数多くの名演奏を残したアニバル・トロイロ。
その作曲や編曲、演奏は非常に繊細かつ複雑。華麗なメロディで魅了します。
ダリエンソ楽団やプグリエーセ楽団でバンドネオン奏者として活躍して自身の楽団を結成。別名Pichuco(ピチューコ)。
代表曲【Quejas De Bandoneón】ケハス・デ・バンドネオン(バンドネオンの嘆き)
OSVALDO PUGLIESE <オスヴァルド・プグリエーセ楽団>
タンゴのみならず南米を代表するピアニストのひとりオスヴァルド・プグリエーセ。極端なスタッカートと重厚なメロディはとてもドラマティックで、ショー・タンゴでもよく使われます。日本にも演奏旅行で来日したことがあります。
代表曲【Mala Junta】マラ・フンタ(悪い仲間)
次回以降、さらにおさえておきたい楽曲や、楽団を紹介していきたいと思います。
ダンスを覚えるのと一緒に、タンゴの音楽も楽しんでいきましょう。